――――――――――――――――――――――――――――――
[本文から]
第129回「ランチタイムデモ」実施

4月17日、129回目の「憲法の破壊を許さないランチタイムデモ」(呼びかけ:憲法9条を守る和歌山弁護士の会)が開かれ、60人の市民が参加しました。
前回(2月21日)から、各回の準備は(コーラー役を含め)協力団体の輪番制で実施することとなり、今回は「和歌山県平和フォーラム」が担当し、コーラー役も同会で務めました。「暮らしに生かそう 憲法生かそう」「9条生かして平和を守ろう」「憲法こわすな 9条こわすな」と先導し、ゴールの京橋プロムナードまで行進しました。
次回以降、年内の日程は、下の通りです。
第130回 2025年 6月26日(木)
第131回 2025年10月21日(火)
第132回 2025年12月 8日(月)

--------------------------------------------------------------------
トランプ外交と世界平和の危機
大泉英次氏(和歌山大学名誉教授)

3月29日に開催された「わかやま9条碑建立ラストスパート集会」での大泉英次氏の講演概要をご紹介します。
******************************************
今の世界には3つの災いがある。疫病、戦争、トランプ政権だ。トランプはホワイトハウス公式サイトで王を気取り、絶対権力者のプーチン、習近平をライバル視している。トランプ外交は「大国間の取引と妥協」「経済・軍事の均衡」を目指している。それはウクライナとガザの戦争への態度を見れば明らかだ。ウクライナ戦争を「弱小国の無駄な抵抗」と見なし、ウクライナ抜きの、アメリカ・ロシアで停戦協議を始めつつ、ウクライナに対しては従来の軍事援助1200億ドルの見返りとして5000億ドルのレアアース(希少鉱物資源)所有権をはじめ、港湾、石油、ガス権益を要求する。それら資源の一部がロシア占領地や戦闘前線にあるので利権獲得と戦争終結を急いでいるのだ。イスラエルのガザ侵攻とトランプ停戦交渉には狙いがある。イスラエルはガザ地区沖合36キロの海底にある天然ガス田領有のためにガザ地区消滅とパレスチナ住民排除を狙う。トランプは、ガザから住民を他に移住させ、米国所有下で「中東のリビエラ」にする構想を表明した。これは中東の反発と戦火拡大を招くもので憂慮される。
こうしたトランプ外交に対する世界の主な反応はどうか。3月2日欧州首脳会談は、ウクライナへの軍事援助継続と停戦後の平和維持軍派遣を表明した。しかし今後の軍事支援も平和保障もアメリカ抜きでは困難。また欧州ではウクライナ抜きでのトランプ外交に共感する極右政党の存在もある。中国の習近平政権はロシアとの軍事連携、イラン・北朝鮮との関係を強化するのに対し、トランプ政権は関税と軍事力で中国を牽制し米中対立が激化している。トランプ外交で世界が揺れる今こそ、中国にとっては存在をアピールする好機といえる。平等互恵の貿易と国際協力をグローバルサウスや先進諸国にアピールできる。しかし「偉大な中華民族の復興」路線と軍事力強化、さらに権威主義政治、少数民族抑圧などのせいで世界の信頼を得られないのが問題だ。日本については、トランプ外交は日本を重要なあるいはタフな(しぶとい)交渉相手と見ていない。3月4日、国防次官補コルビーは日本に防衛費GDP3%以上を求めると表明したのが一例だ。トランプ外交は日本にとって大きな試練だ。
トランプ政権登場と「大国間の駆け引き、経済軍事均衡」がはびこる状態は、世界を一層の格差と分断、対立そして新たな戦争の危機に導く。格差と分断、戦争の危機を止める世界平和への希望は、大国主義・権威主義に対抗する連帯・民主主義の国際的大衆運動の発展にかかっている。
--------------------------------------------------------------------
【九条噺】
3月28日、ミャンマーでマグニチュード7・7の巨大地震が起った。建物の破壊などで4000人近い死者を出す被害が出ている▼筆者は16年に、震源地マンダレーまでは行かなかったが、ヤンゴン周辺へ観光旅行に行った。10世紀に建てられた114mのシュエモードパヤー(仏塔)や、崖の上にあり、落ちそうで落ちない巨大岩・ゴールデンロックなどは無事だったのかと心配になる▼今回の地震ではミャンマーだけでなく、1000㎞も離れたタイのバンコクでも高層ビルが倒壊したり、41階建てのマンションに亀裂が入るなどの被害が出ている。震源が浅く、長周期の地震動は遠方まで伝わりやすく、高い建物の揺れが激しくなるそうだ▼今回の地震はザガイン断層が長さ400㎞にわたって水平方向にずれたという。400㎞とは直線距離で東京・大阪間の距離だ。ずれ幅は6mと非常に大きい▼大地震というと、東日本大震災は太平洋プレートと北米プレートの境界で発生した海溝型地震、阪神・淡路大震災は活断層のずれによるもので、発生原因が異なる▼日本で最も大きい活断層・中央構造線は近畿の金剛山東縁から九州に達する約440㎞の長大なものだ。中央構造線が動くとミャンマーのような巨大な地震が発生する。中央構造線は我家から1㎞以内を通っていると思われる。非常に気にはなるが、今は発生確率が高く、東日本大震災の13倍の被害をもたらすという海溝型の南海トラフの地震への対応が先決だ。(南)
--------------------------------------------------------------------
青法協憲法記念行事「憲法を考える夕べ」開催
大村義則氏(日本被団協被爆二世委員会副会長)が講演

4月24日、和歌山城ホールで「青法協憲法記念行事・憲法を考える夕べ」が開催され、日本被団協被爆二世委員会副会長・大村義則氏が「日本被団協 ノーベル平和賞受賞と私たち草の根の平和運動~核兵器も戦争もない世界を目指して~」と題して講演をされました。
大村氏は、次のような内容を動画やスライドを使って詳しく話されました。講演の構成は、「(1)授賞式、(2)受賞の意味、(3)被団協の被爆者運動、(4)オスロでの発信活動、(5)『法の支配』による外交力で戦争を止める、(6)草の根の平和運動 ―愛知県・平和行進・署名」でした。講演概要は次の通りです。
(1)12月10日、ノルウェーのオスロ市庁舎で授賞式が行われ、被団協の代表委員ら3人が賞状とメダルを授与された。式場には被団協役員の外、被団協を推薦した海外団体代表、中満国連事務次長も入場し、オスロ図書館でパブリックビューも開催された。終了後、日本からの派遣団にオスロ市民も加わり、約千人がたいまつを掲げて晩餐会場のホテルまで祝賀行進、「ノーモア ヒバクシャ、ノーモア ウォー」等とコールして練り歩いた。
(2)授賞式でノーベル賞委員会のフリードネス委員長は授賞理由として、核兵器のない世界の実現に向けた努力、特に核兵器が二度と使われてはならないことを証言してきた功績を挙げ、授賞はノーベルの望みにかなうものだと述べた。現時点で被団協を表彰することで、「核戦争が、何百万の人を殺し、気候に壊滅的打撃を及ぼし、我々の文明を破壊する危機に警鐘を鳴らしたかった」と明かした。被爆者たちの遺産を受け継ぐのは、すべての人間の責任であり、被爆者たちが明確で道徳的な羅針盤を与えた今こそ、私たちの番が来たのだと訴えた。
(3)田中煕巳代表委員が受賞スピーチで語った被団協の被爆者運動の性格は、一つは、政府の「戦争の被害は国民が受忍しなければならない」との主張に抗い、原爆被害は戦争を開始し遂行した国によって償われなければならないという運動であり、二つは、核兵器は極めて非人道的な殺戮兵器であり、人類とは共存させてはならない、すみやかに廃絶しなければならないという運動である。
(4)オスロ入りしてから連日、精力的に訴えた。ノルウェー国会議事堂前で議員に折り鶴メッセージを手渡し、「原爆許すまじ」を歌う。オスロ市図書館市民集会で被爆証言(橋爪文子さんと大村義則氏)。オスロ大学図書館講堂で被爆証言(代表委員と高校生)。在オスロ日本大使館へ要請などを行い、オスロの街には、ノーベル平和センター、市中心部の観覧車などに折り鶴が電光掲示された。
(5)国連憲章や条約等、戦争を違法化し武力使用を禁じる法に依拠した外交で、戦争をくい止めることが大切だ。例えば、国連憲章は2条3項で国際紛争の平和的解決、4項で武力による威嚇または行使の抑制、33条で平和的解決の義務を定めている。また「核兵器禁止条約」は締約国は73、署名国は25で国連加盟国193の半数に達した。また「東南アジア友好協力条約(TAC)」がASEAN5カ国での1976年の締結から域外も含め現在50カ国となった期間は、東アジアの戦闘死者数が激減している。
しかし日本政府は「周辺の安全保障環境が厳しい」「アメリカの拡大抑止力が日本を守る」として、集団的自衛権容認と安保3文書の「敵基地攻撃能力」で軍拡を進めている。
(6)愛知県での2025年度運動方針は、「全ての自治体と公私立高校で原爆展、『高校生の絵』展」「被爆80年平和のつどい」「次世代に被爆証言継承」「被爆者の全自治体訪問」「平和行進」「核兵器禁止条約参加を求める署名」の実施だ。
以上、分かりやすくイメージ豊かなお話でした。(柏原)
--------------------------------------------------------------------
書籍紹介『軍拡国家』

軍拡に舵を切るこの国で、私たちの生活はどう変わる?
5年で43兆円の防衛費増、敵基地攻撃能力の保有……周辺諸国の脅威が声高に叫ばれる中、専守防衛という国の在り方は大転換した。本当に平和に資するのか。防衛問題を追い続けてきた著者による最新レポート。
第1章 武器輸出解禁からの10年
第2章 安保三文書の衝撃――輸出範囲がなし崩し的に拡大
第3章 防衛産業の拡大を後押しするメディア
第4章 要塞化が進む南の島々
第5章 瀬戸際のアカデミア
第6章 記者として、そして一人の人として
****************************************
著 者:望月衣塑子(東京新聞記者)
判 型:新書 240ページ
定 価:900円+税
発売年月日:2025年2月10日
出 版 社:㈱KADOKAWA(角川新書)
TEL 03-3549-6370
TEL 0570-002-301
|