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「田辺9条の会」6年ぶりの総会・学習会を開催
西谷文和さんが講演

6月21日、コロナ禍があったとはいえ、実に6年ぶりとなる総会を開催した(参加者31名)。総会の冒頭、発足当初から長年当会を支えてこられ、昨年5月に亡くなった共同代表・田所顕平さんを憶い、一同で黙祷を捧げた。続く総会では、短い時間ではあったが、活動報告、会計報告を数年分まとめて行ったほか、今年度の運営体制、活動計画に関する提案を行い、承認された。田所さん死去後、空席だった共同代表3名(笠松美奈さん、津村光男さん、木川田)が決まり、当会はようやく新たなスタートを切れることとなった。
その後、第2部として、ジャーナリスト・西谷文和さんを講師に迎え、「世界の今、日本の今~平和憲法で戦争は止められるか~」というテーマで講演会を行った。一般の方を含め参加者は71名と、大幅に予想を上回ったため、急遽、椅子や資料を追加した。嬉しい誤算だった。
西谷さんは、自身が取材してきたガザやシリアなどの紛争地の現状について映像を通して報告した後、中東戦争が起きた歴史的経緯や、新聞社・テレビ局が政府によって閉鎖に追い込まれたり、一方でフェイクニュースがSNSなどを通して拡散されていったりする現状、戦争が始まる背景にある圧倒的な世界の富の不均衡と広がる一方の格差などについて話された。その上で、日本人医師・中村哲さんがアフガニスタンで現地の人たちと用水路を掘ることで荒れ地を農地に変え、その結果タリバンが武器を捨てて農民となっていった事例を紹介され、水と食糧が人々に行き渡ることで、争いや分断をなくすことができる。中村さんの行動はまさに武力に依らず紛争を解決しようとする日本国憲法第9条の精神を体現していると述べ、平和憲法を持つ日本こそが、AかBかではない第3の道を提案することができるはずだと述べられた。
講演会場には10代とおぼしき若い方も数名来られ、帰り支度の西谷さんに熱心に質問している姿が見られたり、西谷さんが主宰している「路上のラジオ」を日頃から視聴していますという方もおられた。世界各地の紛争が止まらない中、このテーマに関心を持ち、学びたいと考える方がこの地方都市にこんなにもおられたことに驚いた。戦争は始まってしまったら止めることは難しい。武力を拡充することが戦争抑止につながるという考え方が広がってしまえば、武器開発競争は止めどなくなるだろう。戦争で金儲けする側のウソにだまされず、中村哲さんが取り組まれたような市民レベルの交流と連帯が大事だと改めて感じた講演会だった。
(木川田道子さんより)

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九条の会全国交流集会開催

(報告をする小森事務局長)
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6月28日「第9回九条の会全国交流集会」がオンラインで開催された。
まず、小森陽一事務局長から「九条の会事務局からの報告」が15分にわたり行われ、続いて、次の会(参加者)から発言があった。
1・9条の会・豊中(大阪)
2・おおさか女性九条の会
3・憲法9条京都の会
4・修学院学区9条の会(京都)
5・九条の会世話人・池内了
6・西神ニュータウン9条の会(兵庫)
7・第九条の会ヒロシマ
8・鳥取市9条の会
9・上小地域9条の会連絡会(長野・上田)
10・九条の会世話人・清水雅彦
11・「憲法審査会の状況」九条の会事務局・高田健
12・九条の会とうかい(茨城)
13・栄区九条の会・根岸線沿線9条の会・9条科学者の会(神奈川)
14・えびな9条の会(神奈川)
15・千住九条の会(東京)
16・世田谷九条の会(東京)
17・九条の会世話人・伊藤千尋
18・柏九条の会(千葉)
19・高崎ごまんごく9条の会(群馬)
20・さくら志津憲法9条をまもりたい会(千葉)
21・みやぎ9条の会
上記17の九条の会世話人・伊藤千尋氏は、「なぜ9条の碑を建てるのか」について語られた。それは「・過去を記憶するのでなく、・現在の社会を変え、・将来に平和な世界を創るため、9条を目に見える形にして、9条の良さを市民がアピールする」ためだ。日本で最初の9条の碑は、1985年沖縄・那覇市の平良良松市長が「憲法の初原の命を、本土へさしむけるのである」として建立したものだ。そして、2023年までに建てられた全国の9条の碑と昨年完成、計画中の9条の碑について説明された。最後に「長崎市の被爆の丘に9条の碑を建立しよう」と呼びかけられた。

10の九条の会世話人・清水雅彦氏は、「九条の会の意義と今後の課題」について語られた。
2024年衆議院選挙で自公過半数割れ・改憲勢力が3分の2を下回り9条明文改憲は遠のいたか? →「安保3文書」の具体化など実質改憲は着々と進んでいる、九条の会運動の踏ん張りどころだ。
最近の市民運動は、東日本大震災・福島原発事故後の20万人集会、戦争法反対2015年8月の12万人集会などと発展しているが、欧米や韓国と比べると参加者がまだ少ない、だから政権が倒れない。
「九条の会」の意義は、憲法9条改悪反対の一点で結集。地域単位でも組織化。地域・職場・職種・大学・首長など様々な九条の会があり、世論への影響力がある。課題は、担い手の高齢化、活動の停滞・休眠・解散、外部からの見え方などがある。
この間の「労組と市民と野党の共闘」と九条の会の関係では、運動の土台を作った「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」と「戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす共同センター」の共闘で労組と市民の共闘による運動の土台ができ、野党共闘へ進んだ。などと話された。
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【九条噺】
梅雨も明けた7月17日、京都・祇園祭の「山鉾巡行」が行われる。筆者はかつて京都で単身赴任をしていた▼住んでいた町は「蟷螂(とうろう)山町」と言い、マンション1階が「蟷螂山」の保管庫で、自室ベランダから真下に建てられた「山」を見ることができた。大きな「蟷螂(カマキリ)が動くカラクリが施されていた▼祇園祭は1156年前の平安時代に疫病から人々を守るよう祈った催しが起源だという。平安京は湿地で、高温多湿、人口集中、上下水道不備などにより、マラリア、天然痘、赤痢、はしかなどが大流行し、無病息災を祈念して毎年行うようになったとされる▼祇園祭では、夫々の鉾や山の町内で「ちまき(粽)」が売られる。「ちまき」と言っても食べるためではなく、疫病・災難除けのお守りだ。「ちまき」には「蘇民将来子孫也」という護符が貼られている。「私は蘇民将来の子孫です。病気や災いから護って下さい」という意味で、それを玄関先に掲げる▼昔々の神話の話。素戔嗚尊(すさのおのみこと)が旅で一夜の宿を求めた時、金持ちの蘇民巨旦は断ったが、貧乏暮しの蘇民将来は「私の家にお泊り下さい」と粟飯を炊いてもてなした。喜んだ素戔嗚尊は「汝の子孫は末代まで私が護ってやろう」と茅(かや)の輪を渡し、その後疫病が流行った時、蘇民将来は茅の輪を腰に巻いたので助かったとか▼神話はともかく、困っている人は助けるものだという伝説が今も残っているのは面白い。今でもそうあるべきだ。(南)
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燃えるような日差しを浴びながら…
でも元気に「大軍拡NO!」

有田共同センターの宣伝行動は毎月3日。7月3日は「猛暑」の中での行動になりました。それでも24名が参加。
平和を求める情熱は暑さにひるみません。(でもこの日はいつもより少し早く終了しました)(五島栄次さんより)
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米のイラン攻撃は「国際法違反」
竹内行夫(元)外務次官

国連憲章違反の武力行使にあたるからだ。人類は幾多の戦争の惨禍を経験し、「戦争は違法である」という原則に達した。その到達点が国連憲章だ。これによって紛争は平和的に解決されねばならず、武力行使は一般的に禁止されている。例外は、自衛権の行使と国連決議による集団的安全保障措置のみだ。この戦争違法化の原則が、冷戦やポスト冷戦期を通じた国際平和秩序となってきた。ところが今回のイラン攻撃は自衛権行使でも国連決議に基づく集団的安全保障措置でもない。ロシアによるウクライナ侵略も同じだ。
今回のような予防的武力行使が現在の国際法で許されているとは到底言えない。今後このような大国の攻撃を恐れ、自分も核兵器を保有せねばならないとの誘惑にかられる国が他に出てきてもおかしくない。今回のイラン攻撃が核不拡散条約(NPT)体制を保つために貢献するとは評価できない。
日本政府の姿勢は、米国の攻撃を「支持」できず、「理解」も不適当なので、法的評価を避けることに日米同盟に配慮する姿勢を込めたのではないか。
日本は戦後80年間一貫して紛争解決のために武力行使をしないとの原則を守り、平和国家という国家像によって国際社会の尊敬と信頼を得てきた。今は困難な状況にあっても、ここは平和国家としての基本的価値や原則を貫くことを優先すべきだ。
「ご機嫌取り」は横暴な大国を増長させるだけだ。トランプ時代がいつまでも続くわけでもなく、そう遠くない将来に、世界は国際秩序の再建という重い課題に直面することになるだろう。そのとき日本は国際秩序の再構築の先頭に立ち貢献しなければならない。
(朝日新聞7月3日付の記事より抜粋)
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