「九条の会・わかやま」 529号 発行(2025年08月15日付)

 529号が8月15日付で発行されました。1面は、「和歌山市ひがし9条の会」総会開催、「和歌山障害者・患者九条の会19周年の集い」を開催、九条噺、2面は、「無立憲」の政党 ― 参政党「新日本憲法」 早稲田大学名誉教授・水島朝穂氏の「平和憲法のメッセージ」より、2014年8月のランチタイムデモ  です。
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「和歌山市ひがし9条の会」総会開催



 8月3日(日)午後、和歌山市・東部コミュニティセンターで「和歌山市ひがし9条の会」の第18回総会が開催されました。事務局長の入院治療のため、当初の予定から1カ月あまり遅れての開催となりました。また、主要メンバーが自身の病気や家族の介護のため出席できず、運営が危ぶまれましたが、役割の掛持ちや参加者・講師の協力により、今年も無事開催することができました。



 オープニングは、メンバーの腹話術でした。戦時中の標語を盛り込んだ日常生活を表現したものです。その後、事務局から情勢、活動報告、活動方針の提案があり、出席者によって採択されました。
 記念講演は、「南紀白浜空港『特定利用空港』指定でどうなる?」と題して、「安保NO!和歌山県民会議」事務局長の琴浦龍彦氏によって行われました。



 昨年末、故岸本周平知事は、詳しいことをあまり県民に知らさないまま、国から依頼のあった南紀白浜空港の「特定利用空港」の指定を受け入れ、今年4月1日から白浜空港は「特定利用空港」となりました。  岸本知事は、はじめ、この指定について自衛隊の災害時利用の利点ばかり強調していましたが、岸本氏の後を継いだ宮崎泉現知事は、6月議会での質問に防衛に係る訓練について否定しませんでした。琴浦氏によると、有事になれば舞鶴への物資運搬の拠点にもなり得るということです。また、安保条約からみれば、いざとなれば米軍の利用の可能性も否定できません。
 しかし、南紀白浜空港を管理しているのは和歌山県であり、県が指定を断れば「特定利用空港」指定は撤回できるとのことです。琴浦氏は、講演の結びに「『特定利用空港』指定の危険性を県民に知らせ、指定撤回を求めよう」と訴えました。
(会の日野のぞみさんより)



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「和歌山障害者・患者九条の会19周年の集い」を開催



 7月13日、「和歌山障害者・患者九条の会」は和歌山市ふれ愛センターで、20人が参加して「19周年の集い」を開催しました。
 第19回総会では2024年度活動・決算報告、2025年度活動方針・予算・役員提案が承認されました。
 続いて、朗読グループ「つくしんぼ」の皆さんの出演です。井上ひさしさんの絵本『憲法の心』の中から、「もう二度といくさはしない(第9条)」、「私たちの使命」、そして平和の詩「おばあちゃんの歌」が朗読され、平和を願う言葉に耳を傾けました。
 昨年10月、日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞しました。今回、総会に原水爆禁止和歌山県協議会事務局長、和歌山県平和委員会事務局長の里崎正(さとざき・ただし)さんを講師にお招きし、「被爆80年、祝日本被団協ノーベル平和賞受賞~核なき世界をめざして」と題して記念講演をしていただきました。被団協は被爆の実相を世界に伝え、核兵器と人類は共存できないことを明らかにしてきました。核兵器禁止条約の参加国は73カ国に広がっています。核保有国と「核の傘」にいる国が29カ国。アメリカの「核の傘」にいる日本は唯一の被爆国にも拘わらず、世論の70%が核兵器禁止条約に賛成しているのに石破首相は絶対に条約批准を認めません。抑止力とは戦争をすることであり、抑止力では平和は守れません。
 明るいニュースもあるそうです。和歌山県の高校生や自治体も頑張っています。高校生が描いた原爆の絵が日高高校の図書室に展示されているそうです。今年は戦後80年です。改めて平和について考えるすばらしい一日となりました。
(事務局:野尻誠さんより)

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【九条噺】



 我家の庭にムクゲ(槿)が咲いている。学名:Hibiscus syriacus、アオイ科フヨウ属の落葉樹▼学名のようにハイビスカスの仲間で、他にフヨウ、ハマボウなどがある。ハイビスカスというと亜熱帯の花のイメージがあるが、ムクゲは寒さにも強い。学名は「syriacus」だが、原産はシリアではなく中国。中国語で「木槿(ムーチン)」▼ムクゲは一日花。朝に開花し夕方にはしぼむが、次々と咲きいつも咲いているように見える。花色はいろいろあるが、我家のは白の一重花に中心が赤。「日の丸」と呼ばれている▼ムクゲは、韓国では「無窮花(ムグンファ)」と呼び、法的な位置づけがあるわけではないが国花とされている。散っては咲きを繰り返して長く咲き続けることに由来する名前だそうだ。最高位の勲章や警察の階級章にも無窮花が使われている。日本の桜のような位置づけらしいが、戦前の日韓の関係から、「日の丸」ではないだろう▼花に罪はないが、戦前日本では桜や菊は戦争に関係してきた。軍歌「七つ釦は桜に錨」とか、靖国神社は今も菊が紋章だ。桜や菊を戦争から切り離して、純粋に愛でたいものだ▼ムクゲの花言葉は、「デリケートな愛」「繊細な美」「説得」「信念」「尊敬」だそうだ。咲いてもすぐにしぼむ繊細な美しさから付けられているようだ。愛する人へ贈ったり、尊敬の意を表したり、信念を曲げずに進む意思表明などとしたいものだ。(南)

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「無立憲」の政党 ― 参政党「新日本憲法」
早稲田大学名誉教授・水島朝穂氏の
「平和憲法のメッセージ」より


 参政党の憲法草案(新日本憲法構想案)は問題である。33カ条しかないが、前文を見て仰天である。「國體」という文言を使った帝国憲法への逆走と思いきや、大日本帝国憲法でさえ、外見的立憲主義の憲法であったことからすれば、本質的に立憲主義とは無縁の「憲法」である。「教育勅語など歴代の詔勅、愛国心、食と健康、地域の祭祀や偉人、伝統行事は、教育において尊重しなければならない」という条項がある。さすがに文科大臣も、「憲法・教育基本法違反」として、これを否定する会見をしている。
 そもそも参政党草案には、まともな人権条項がない。「個人の利益」は団体のそれと並立して扱われ、「公共の利益」により制限されるという発想である。立憲主義の二大柱である権利の保障と権力の分立を欠いた「憲法」草案といえる。国家の対外的独立性をいう国家主権しかなく、国民主権が存在しない。唯一、参政党という党名を象徴させるためか、16歳選挙権がうたわれている。法律を国民投票で決めるという直接民主制、プレビシット的条項もある。一番驚いたのは、「領土保全」の条項で、「外国の軍隊は、国内に常駐させてはならない」「外国の軍隊の基地、軍事及び警察施設は、国内に設置してはならない」とある。そうすると、日米安保条約に基づく在日米軍は違憲となる。これだけ見るとすばらしいのだが、自衛軍の設置や軍事裁判所の条項まであるから、自前の核武装をして「日本人ファースト」でなく、「日本ファースト」でいこうというのだろう。危うい。
 外国人敵視は随所に見られるが、とりわけ外国人や外国資本の制限、帰化後三世代まで公務就任不可など、細部まで「日本人ファースト」の排外的傾向が貫かれている。他方で、旧統一教会も絶賛するような家族保護条項をもち、同姓婚と夫婦別姓を否定している。また、食事から睡眠まで、個人の生活全般にわたって、特定の方向指示を国家が行う、気味の悪い条文が並ぶ。特に「主食は米」、学校給食は地産地消、「地域の風土、信仰を護る」ことを地方自治体の目的とするなど、これが憲法草案なのかと脱力する条文が続く。
 最高法規の規定で、「日本の国柄」に反する条約は効力を有しないというのはすごい。国連の人権条約なども、この憲法によれば「日本の国柄」に反するということになろう。防諜や公務員の秘密漏洩の条項もあるが、神谷代表は、「極端な思想の公務員を洗い出し辞めさせる」ためのスパイ防止法について語っている。
 公務員の思想調査を公然と語る政党が国政に進出したわけである。議案提案権をもったので、スパイ防止法案を提出すると神谷代表は明言している。かつて大阪市では、橋下徹市長(当時)の指示で、全職員に対して労働組合や政治活動への関与を尋ねるアンケート調査をしたことがある。このアンケートは後に違法性が争われ、憲法が保障する団結権やプライバシー権を侵害したと認定する大阪高裁の判決が確定している。文化や芸術の世界に権力が踏み込んでくることについても、橋下市長の暴虐ぶりを直言「権力者が芸術・文化に介入するとき」で批判した。参政党の憲法草案を見ると、文化や芸術の分野にも「国柄」や「伝統」などを引っさげて介入する意欲満々である。
 参政党は改憲政党ではない。安倍晋三政権の「非立憲」の施策の数々で傷ついたこの国の荒野に、憲法というものがまったくわかっていない「無立憲」の政党が進出したわけである。

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2014年8月のランチタイムデモ

本年8月のランチタイムデモはお休みです。そこで2014年8月のデモの様子をご紹介します。





 8月6日、第3回「憲法の破壊を許さないランチタイムデモ」が行われ、厳しい炎天下110余名が参加しました。和歌山市役所から京橋プロムナードまで「集団的自衛権行使は許さない」とアピールを行いました。

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(2025年08月14日入力)
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