「九条の会・わかやま」 530号 発行(2025年08月31日付)

 530号が8月31日付で発行されました。1面は、「終戦80年記念 平和ライブ&講演会」を開催 「憲法9条を守る和歌山市共同センター」、大問題の参政党憲法草案、九条噺、2面は、みなべ「九条の会」終戦記念日の街宣行動  です。
    ――――――――――――――――――――――――――――――
[本文から]

「終戦80年記念 平和ライブ&講演会」を開催
「憲法9条を守る和歌山市共同センター」




 8月23日、「憲法9条を守る和歌山市共同センター」は「終戦80年記念 平和ライブ&講演会」を開催し、鈴木君代さん(真宗大谷派僧侶・シンガーソングライター)は、次のような演奏とお話をされました。
 1曲目に「平和の琉歌」(桑田佳祐作)で「民を見捨てた戦争の果てに」「アメリカの傘の下」にある沖縄を「お月様が泣いて」いるとしつつ「愛を植えましょうこの島へ」と訴える歌を披露。平和な日本という思い込みが覚める思いです。また、愛用の百年前のドイツ製ギターに寄せて、人も老いるにつれ楽しみを発見することもあると、命の大切さを付言されました。
 2曲目は8月5日広島での宗教者の断食集会で歌ったと「一本の鉛筆」(美空ひばり、74年8月9日第1回広島平和音楽祭)を紹介。「一本の鉛筆があれば戦争はいやだと私は書く」と、真っすぐ静かに反戦の心が伝わります。続いて長崎に行き繁華街での反核署名活動の場で歌うと、人だかりが出来て署名も進んだと。
 3曲目に福島県楢葉町の宝鏡寺の「非核の火」碑前で歌われた「非核の火」(鈴木君代作)で、「ヒロシマ、ナガサキ、ビキニ、フクシマを結ぶ非核の火、この場所で忘れないよう灯し続ける」と核被害を伝え続けることを訴えられました。
 4曲目に福岡市の先輩僧が「国歌は『君が代』より『花』が良い」と推薦した「花~すべての人の心に花を」(喜納昌吉作)を会場と一緒に歌われました。「泣きなさい、笑いなさい」と人生を肯定する一節が印象的でした。このお坊さんの寺は戦争中の供出で鐘がなく、「平和な世になれば鐘を吊るす」と語っていたそうです。そして最近のNHK朝ドラが戦争の時代を描いていることの貴重さも強調されました。
 8月生まれの参加者の誕生日を祝う歌で「あなたが生きていることが尊い。今日ここに集った人は、自分に出来る事を広げていこう」と激励されました。
 5曲目に集会タイトルにもなった「兵戈無用(ひょうがむよう)」は『無量寿経』の言葉で、「仏さまが行かれる所は、気候が良く、災害が無く、国が豊かで人々は安心し、兵隊や武器を用いない(兵戈無用)」と記されています。鈴木さんの曲「兵戈無用」は「兵戈無用・あらゆる者は暴力に怯える。兵戈無用・生きる者のいのちは愛しい。…兵戈無用・武器も兵隊もいらない。兵戈無用・世の中安穏なれ…」と、兵器に頼らない平和の大切さを訴えかけました。
 最後に板書で「訪→弔(とむらう)」と記し、「亡くなった方々の心を探ることが本当の『とむらい』。先の戦争で亡くなった方々の望みは何か?『戦争をなくせ』だ」と述べて最後の曲へ。
 6曲目は「日本国憲法9条」の歌で、改めてこの精神を伝え続けなければと思いました。(柏原)



    ----------------------------------------------------------------

大問題の参政党憲法草案

 この草案には多くの問題点があります。その問題点を見ていきます
------------------------------------------------------------
●(前文)天皇は、いにしえより国をしらすこと悠久 これが今も続く日本の國體である。
 日本は、天皇のしらす君民一体の国家である。天皇は…神聖な存在として侵してはならない。
 →「しらす」とは「統治なさる」という意味。「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」「天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス」と定めた戦前の明治憲法そのまま。正に天皇主権国家の宣言だ。
●天皇は元首として国を代表し、以下の事項を裁可することができる。
 1 内閣総理大臣、国務大臣、国会議長、最高裁長官任命
 2 憲法、法律、政令、条約の交付
 3 国会召集、衆議院解散、国政選挙公示
 →「裁可」とは君主の裁量で許可すること。天皇は国政全ての権限を持っているようだ。天皇がNOと言ったらどうなるのか。
●国は主権を有し、独立して自ら決定する権限を有する。
 →対外的な国家主権は当り前のこと。この草案には国民主権の存在が全く書かれていないことが大問題なのだ。
●公文書は必ず元号を用い
 →何故元号を強制するのか。早く西暦にすべきだ。
●国民の要件は、…日本を大切にする心を有すること
 →「日本を大切にする心を有する」は、誰がどんな基準で判定するのか。この基準に当てはまらないと判定された者は〝非国民〟とされてしまう。
●婚姻は、男女の結合を基礎とし、夫婦の氏を同じくすることを要する。
 →性的マイノリティーの権利や同性婚は排斥され、賛成世論が非常に多い選択的夫婦別姓も実施できない。
●国語と古典素読、歴史と神話、修身、武道…の教育は必修とする。
 教育勅語など歴史の詔勅、愛国心、食と健康、地域の祭祀や偉人、伝統行事は、教育において尊重しなければならない。
 →国民を侵略戦争に駆り立てた戦前の教育と全く同じではないか。さすがにこれは文部科学大臣も「憲法・教育基本法違反」との会見をしている。国会議決により正式に廃止された教育勅語を復活させるのは、まさに論外。
●国民は政治に参加する権理を有し、義務を負う。
 →政治に参加する権利(権理?)を有するのは当たり前。しかし、参加する義務はない。
●報道機関は、偏ることなく、国の政策につき、公正に報道する義務を負う。
 →「報道の自由」を脅かす規定だ。日本国憲法は「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」と規定し、報道機関の取材・報道もこれに含まれる。参政党の神奈川新聞取材拒否も、この条項に従ったものだろう。
●外国人の入国及び在留条件は、国が主権に基づき、自由に決定することができる。
 2 土地は…外国人または外国資本に譲渡してはならない。
 4 外国人の参政権は、これを認めない。帰化した者は、三世代を経ない限り公務に就くことができない。
 →日本も批准している国際人権規約は、外国人を含む全ての人に対し平等に人権を保障すべきと定めている。日本国憲法が保障する基本的人権も在留する外国人に対しても等しく及ぶ。外国人を「異分子」として人権保障の対象からはずすことは、国際的基準にも憲法にも反する。
●帰化の条件は国柄の理解…を基準に法律で定める。
 →「国柄の理解」とは「天皇主権国家」を認めることなのか。誰がどのように判定し、それを誰が裁可するのか。
●国は自衛のための軍隊を保持する。
 5 軍事裁判所を設置し、
 →自衛隊ではない、軍事裁判所も持つ本格的な軍隊。国民には「日本を守る義務」が課される。当然「専守防衛」もない。集団的自衛権の行使も否定しておらず、自ら戦争をする軍隊だ。
●外国の軍隊は国内に常駐させてはならない。
 3 外国の軍隊の基地は国内に設置してはならない。
 →ということは、日米安保条約もなくなり、米軍基地も米軍の駐留もなくなるのか。それだけなら結構なことだが、米軍に代わって日本軍が対応する。しかも、自前で核武装をして、「日本ファースト」でいこうというのだろう。極めて危険な条項だ。
●外国人の入国及び在留条件は、国が主権に基づき、自由に決定することができる。
 →関東大震災の時のように、外国人攻撃の矛先は国民全体に向かい、国を亡ぼすことになるのは歴史の教訓。日本は今や外国人労働者は230万人以上。外国人労働者を、対等の労働者としてその権利を確立することが、日本の労働者の労働条件向上につながる。また、「自由に決定できる」だと、参政党の政権下では、例えば原水爆禁止世界大会などに参加する外国人の入国を拒否することができることになってしまう。
●国際機関の決定や勧告は、憲法または日本固有の慣習に反する場合、効力を有しない。
 →国連の人権条約なども、この草案によれば「日本の国柄」に反するということになる。国連の条約「核不拡散条約」「核兵器禁止条約」「気候変動枠組条約」「世界人権宣言」なども全て効力を有しないということになってしまう。
--------------------------------------------------------
※参政党憲法草案はから次のURLから見ることができます。
 https://sanseito.jp/new_japanese_constitution/

    ----------------------------------------------------------------

【九条噺】

 「ハイパーカミオカンデ」建設現場が報道関係者に公開された。直径69m×高さ94mという巨大な空洞が地下600mに完成し、そこに「ハイパー」が造られる▼観測に使う純水の量は26万トンで、「スーパー」の5.2倍、光電子増倍管は4万個を取り付け、しかも感度は「スーパー」の2倍。ニュートリノを8倍検出でき、28年観測開始を目指している▼ニュートリノは物質のもとになる「素粒子」の一つで、宇宙や大気から膨大な量が降り注いでいるが、太陽から我々の体に降り注ぐものに限っても、その数は1秒間に数百兆に上るという。同じ素粒子である「電子」と比べても質量は100万分の1ほどで、電気を帯びていないので地球さえ通り抜け、観測するのが極めて難しいとされる。ここを通過するニュートリノが、ごくまれに水の分子と衝突した際に生じる微弱な光を検出することでその存在を捉える仕組みだ▼02年に小柴昌俊氏が超新星爆発からのニュートリノの初観測で、15年には梶田隆章氏がニュートリノが質量を持つことを示すニュートリノ振動の発見でノーベル物理学賞を受賞している▼「ハイパー」では、ニュートリノと反ニュートリノの振動の違い(CP対象性の破れ)の発見、宇宙の物質の起源の解明、陽子崩壊の発見による「素粒子の統一」と「電磁力・弱い力・強い力の統一」の証明を目指すとか▼こうなると素人にはなかなか意味が理解できないが、三度ノーベル賞に輝く成果を期待したいものだ。(南)

    ----------------------------------------------------------------

みなべ「九条の会」終戦記念日の街宣行動



 みなべ「九条の会」は毎年終戦記念日に宣伝カーによる街頭宣伝を実施しています。
 今年は戦後80年です。80年が経過し、人々の記憶の中での風化はありますが、戦争による惨禍があったという事実をなくすことはできません。
 時の政権によって引き起こされた戦争、その戦争を続けていくために多くの国民が犠牲になりました。自国民だけでなく、相手国や周辺の国々の人々にも多大な犠牲を出しています。  今年も例年通り15日の終戦記念日に、午前に旧南部川を宣伝カーでまわり、正午前には清川の本誓禅寺に立ち寄り、平和の鐘を撞かせてもらいました。午後に旧南部を街宣し、町民の皆さんに憲法9条を守り、平和を守ろうとアピールしました。(事務局長・井戸保さんより)



    ―――――――――――――――――――――――――――――
(2025年08月30日入力)
[トップページ]