「九条の会・わかやま」 531号 発行(2025年09月17日付)

 531号が9月17日付で発行されました。1面は、「わかやま9条の碑」多くの人の目に 市民連合わかやま 医師・島廣樹さん、核兵器禁止条約参加を(JR和歌山駅前)、参政党の新日本憲法「構想案」を多くの憲法学者が厳しく批判、九条噺、2面は、「排外主義NO!」も訴える(有田)、みなべ「九条の会」157回目のピースアピール、参政党の憲法案はキケン! 埼玉県内緊急学習会  です。
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[本文から]

「わかやま9条の碑」多くの人の目に
市民連合わかやま 医師・島廣樹さん




 5月3日に県内で初めて建立された「わかやま9条の碑」。市民連合わかやまの医師・島廣樹さんは「9条の碑を多くの人の目にふれさせたい」と院長をつとめる和歌山市堀留東の診療所に看板を設置しました。
 「わかやま9条の碑」のデザインをそのまま使って看板屋さんに作ってもらいました。既に9条碑建立運動の際、「私の診療所に作っていいですか」と実行委員会の確認をとっていたそうです。
 島さんは「今、新しい戦前という危機感がある。日本が侵略戦争でたいへんな被害をアジアにもたらしたことを政府は反省していない。だからアメリカから求められて大軍拡をしようとする。戦争への根本からの反省が憲法9条。一人ひとりにこの条文を見てもらいたい」と話しました。「9条の碑」を出発点に9条の条文が多くの人の目に触れるよう広げていくことをよびかけました。

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核兵器禁止条約参加を



 憲法9条を守る和歌山県民の会と憲法9条を守る和歌山市共同センターは8月9日、JR和歌山駅前で「政府は核兵器禁止条約に参加せよ」と訴えました。
 広島、長崎の平和式典で、市長らの求めにも拘らず、石破首相が条約に一言も触れなかったことを告発しました。

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参政党の新日本憲法「構想案」を多くの憲法学者が厳しく批判

◆一橋大学の渡辺治名誉教授
 「戦後」を公然と否定した戦後初めての改憲案


 戦後、70件近い改憲案が出ましたが、国民の平和と民主主義への強い希求を忖度して、国民主権を否定したり、人権条項を欠いた案はほとんどなく、いずれも何らかの形で「平和主義」に言及しています。
 自民党、国民民主のような改憲政党ですら、その政権公約では日本国憲法の「国民主権」「人権保障」「平和主義」の日本国憲法の3原理を「堅持」し、守ることを謳っています。ところが、参政党の改憲案には、国民主権、人権保障、平和主義もありません。「戦後」を公然と否定した戦後初めての改憲案です。

◆日体大学の清水雅彦教授
 踏まえるべき憲法の基本がある。ある意味、素人の案


 個人でも市民団体でも政党でも、改憲の議論をすること自体は賛成。ただ、踏まえるべき憲法の基本がある。ある意味、素人の案だ。政党が出すにしては、憲法の基本的な部分が分かっていない。大日本帝国憲法にも及ばないお粗末な内容。
 そして、市民革命後に成立した近代憲法は、これまで悪さをしてきた国家権力を縛るために作られ、『国家権力制限規範』とも言われる。だが草案は、そうした歴史の積み重ねを無視し、国家権力の縛りをかなり緩めている。
 「従来、自民を支持していた岩盤保守層に訴えかけ、参政党支持を広げる目的があったのでは」とも指摘している。

◆都立大学の木村草太教授
 あれを憲法とか憲法改正案だと思っている人はあまりいない


 「どちらかと言うと怪文書のようなものでして、あれを憲法とか憲法改正案だと思っている人はあまりいないと思いますね」「右だの左だの改憲だの護憲だの以前の文章」と、ばっさり切り捨てた。

◆慶應義塾大学の小林節名誉教授
 検討の対象にもならない憲法案ですが軽視できません


 まともな検討の対象にもならない憲法案ですが、参政党がブームのように取り上げられています。巨視的に見れば、一時現象で、やがて冷めるとみています。
 といえ、一定の議席を得てしまうと自公の補完勢力になり、参院選後の政治状況によっては国民民主、維新と連携して改憲発議の動きを誘発するかもしれません。その意味では軽視できません。

(「憲法しんぶん速報版」9月1日付より)

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【九条噺】

 先日、「戦後80年 治安維持法で投獄の103歳が語る」で菱谷良一さんのことが放送された。菱谷さんは治安維持法犠牲者の、たった一人の存命者だと思う▼菱谷さんは絵画が得意で、美術教師になりたいと、15歳で旭川師範学校に入学。「身の回りを観察し、有りのままを絵にする」生活図画教育を受けていた▼41年9月、「話し合う人々」に描かれている本が『共産党宣言』だと理屈を付け、治安維持法違反で逮捕。共産党など何も知らないのに自白調書に押印させられる。旭川刑務所に1年3カ月投獄。裁判では1年6カ月、執行猶予3年の処分となり、師範学校も退学させられた。皮肉を込め妹の帽子をかぶり「赤い帽子の自画像」を描いた▼治安維持法は45年に廃止されたが、検挙された人は10万人だ。しかし、弾圧犠牲者には未だ謝罪・賠償は一切行われていない。2017年6月の法務大臣答弁は「治安維持法は当時適法に制定され、違反による勾留・拘禁は適法。刑の執行による損害を賠償すべき理由はない。謝罪・実態調査も必要ない」というものだ▼菱谷さんは言う。「みんなで頭を下げますぐらいでもいい。戦うのはいや。平和でいたいだけ」と▼先般の参院選で「躍進」した参政党の神谷代表は、治安維持法を「共産主義者には悪法。共産主義を取り締まるものだから」とあからさまに正当化する。菱谷さんのように、共産党員ではない多くの人をも弾圧したのが治安維持法だ。ここにも参政党の醜い本質が見られる。(南)

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「排外主義NO!」も訴える…



 有田共同センターの宣伝行動は毎月3日。9月3日は、21名の参加で、今問題となっている参政党の「排外主義へのNO!」や「白浜空港の軍事利用反対」「ネタニヤフのパレスチナ攻撃への抗議」も訴えました。(五島栄次さんより)

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みなべ「九条の会」157回目のピースアピール



 9月6日午前10時から東吉田交差点で、157回目のピースアピールを実施しました。11名の参加でした。
 9月になってもかなりの暑さでしたが、いつものように参加者で交代しながら訴えました。
 訴えの中では、先の参議院選挙で議席を伸ばした参政党の憲法案に触れ、「天皇は、国民の幸せを祈る神聖な存在として侵してはならない」「国は、主権を有し」とする一方、国民に主権があるとはどこにも書いていません。これでは戦前に逆戻りすることになり、今後の改憲を狙う動きに大きな影響を与えることが心配されます。そのためにも、人間の平等、人権と民主主義を守り抜くために今の日本国憲法を守り、いかす取り組みを強めていくことが大切だということを訴えました。(事務局長・井戸保さんより)



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参政党の憲法案はキケン! 埼玉県内緊急学習会
平和、自由、国民主権奪う戦前に逆戻り




 参院選で議席を大きく伸ばした参政党の「新日本憲法(構想案)」とはどんなものか知りたいという要望を受け、8月27日に「戦争させない!埼玉の会」と新婦人埼玉県本部の主催で、緊急学習会が開催されました。参加者からは「平和、自由、国民主権を奪う戦前に逆戻りする憲法だね」と不安の声が寄せられ、改めて憲法を学習することが大切になっています。
 緊急の呼びかけにも拘らず、50人の会場に80人が参加する関心の高さが示されました。
 講師の伊須慎一郎弁護士は、参政党の改憲案と日本国憲法、戦前の大日本帝国憲法、自民党の改憲草案と比べて解説し、参政党の憲法案には日本国憲法の3原則の「平和主義」「国民主権」「基本的人権」すべてを否定していて、憲法と言えるものではないと批判しました。そして、天皇を元首にして軍隊を持ち、「教育勅語の尊重」を書き込んだ戦前回帰の内容であり、このことを知らせたら参政党支持者も疑問を持つのではないかと述べました。
 「ヘイトスピーチ禁止条例を求める埼玉の会」の斉藤紀代美さんから罰則付きの条例を求める署名行動、新婦人埼玉県本部の高田美恵子さんから、参政党の女性蔑視発言への抗議行動について発言がありました。参政党が法案提出を公言している「スパイ防止法」について国賠同盟の方から、学校の先生からは若者の変化とSNS活用の重要性について発言があり、平和委員会から「参政党は外国人優遇を強調するが、在日米軍こそが一番の恩恵を受けている」と具体的な事例をあげて指摘がありました。また、「憲法学習を広めていきたいが、講師の要請は?」との質問もありました。
 最後に、埼玉憲法会議の青木努事務局長から当面の行動提起がありました。
 全国憲法会議事務局長の高橋信一さんと、前参議院議員の伊藤岳さんも参加し、憲法学習の大切さを訴えました。
※この学習会は全国9県からズーム視聴がありました
【参加者の感想】「街宣などで広げたい」「参政党憲法案に何がないか、どのような問題があるかを徹底的に学んだ」「伊須弁護士の資料がきめ細やかに分かりやすく作ってあり、今後自分で復習する際にも大きな助けになる」「この学習会で学んだ内容を街宣などで広げてゆき、一人でも多くの人に参政党の憲法案が如何に危ないものか、参政党そのものが如何に危ないかを伝えていきたいと思う」
(「憲法しんぶん速報版」9月4日号より)

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(2025年09月16日入力)
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