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安保法制強行成立から10年
「和歌山市9・19アピール集会&デモ」実施

安保法制採決強行から10年の9月19日、和歌山市でも午後6時から、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会(戦争をさせない和歌山委員会、憲法九条を守るわかやま県民の会)」の呼びかけ、「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」協賛による集会が和歌山市・京橋プロムナードで開かれ、憲法破壊を許さないとアピールする市民が集会を行いました。その後、50人が大新公園まで夜間デモを実施しました。

集会では、主催団体の「憲法九条を守るわかやま県民の会」の武田正利氏が、「10年前安保法制が強行されたが集団的自衛権の発動は許していない。ウクライナ・ガザ等情勢が緊迫する今こそ、平和を守る粘り強い闘いを」と訴えられ、協賛の「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」の由良登信氏は、10年前の安保法制強行前後の反対運動の高揚と野党共闘の前進を振り返るとともに、現在の情勢悪化たとえば南西諸島の基地化、日米軍事一体化、敵基地攻撃能力整備などを指摘、平和を守る闘いを訴えられました。続いて政党から奥村規子県議(共産)、山本忠相市議(立民)、藤本眞利子県議(無所属)が、議会質疑など平和を守る活動を紹介されました。
最後に主催団体の「戦争をさせない和歌山委員会」の北道剛士氏が、安保法制は立憲主義を破壊するものであり、国民生活が苦しい中の軍拡は許さず9条を守ろうと訴えられました。
集会が終わると、裏野勝也氏(平和フォーラム)のコールに唱和し、「ウクライナ・ガザに平和を」「日本政府は核兵器禁止条約を批准せよ」などとアピールしながら、暗くなったけやき通りを行進し、大新公園で流れ解散しました。(柏原)

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国会前で抗議集会 「憲法違反の法廃止を」
総がかり行動実行委員会と9条改憲NO!全国市民アクション

集団的自衛権の行使を一部容認する安全保障関連法が成立してから10年となった19日、「総がかり行動実行委員会」と「9条改憲NO!全国市民アクション」は「武力で平和はつくれない!強行採決から10年 戦争法廃止!9・19国会正門前大行動」を行った。約2300人(主催者発表)が集まり「武力で平和はつくれない」と抗議の声をあげた。
「総がかり行動実行委員会」と「9条改憲NO!全国市民アクション」は、2015年9月の法成立後も毎月19日を中心に抗議集会を続け、この日で118回目となった。
主催者あいさつした総がかり行動実行委共同代表の菱山南帆子さんは、2015年のたたかい以降、一人ひとりが運動に参加するハードルを下げ、全国に共同の輪が広がっていると強調。国会提出が狙われるスパイ防止法は思想弾圧に他ならないと指摘し、「力を合わせて声を上げ続けよう」と呼びかけた。上智大学教授の中野晃一さん、日弁連憲法問題対策本部副本部長の山岸良太さん、移住者と連帯する全国ネットワーク事務局長の山岸素子さんがスピーチし、実行委員会の染裕之共同代表は「10年たっても安保法を廃止できていないのは忸怩(じくじ)たる思い。今後も憲法違反の法律の廃止を求めていく」と語った。
日本共産党の田村智子委員長、立憲民主党の近藤昭一衆院議員、社民党の福島瑞穂党首があいさつをした。

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【九条噺】
時々小学校で歌った「たたかい越えて立ち上がる…」という歌が頭に浮かぶ。一番と二番がごっちゃになったりするが、確か最後は「…平和の旗のさすところ、ああこの道に光あれ」だった。記憶が定かでないが音楽の先生が教えてくれたのではないかと思う▼国歌は、これの方が良いのではと考えていたら、送られてきた京都市の「嵯峨・広沢・嵐山9条の会ニュース」に、小学校の運動会でこの歌を歌ったという筆者の先輩Yさんの記事を見つけた▼歌詞を調べると、「①たたかい越えて立ち上がる/緑の山河、雲晴れて/今蘇る民族の若い血潮にたぎるもの/自由の翼、そらを行く/世紀の朝に栄えあれ/②歴史の門出新しく/茨の歩み続くとも/今結ばれたはらからの固い誓いに翻る/平和の旗の指すところ/ああこの道に光あれ」だった。51年、日本教職員組合が「君が代」に代る新国歌として選定したものだという▼「君が代」は『古今和歌集』の「読人知らず」の長寿を願う和歌だが、明治政府が曲をつけ、「君」とは天皇だと勝手に決め、「国歌」として国民に押しつけたもの▼戦後、天皇は憲法で「日本国の象徴であり」「国政に関する権能を有しない」とされる。それなら国歌で「天皇の治める御代が末永く続き栄えるように」と歌うのはふさわしくないと思う▼今は99年8月施行の「国旗及び国歌に関する法律」で国歌は「君が代」と決められている。憲法ではなく法律なので多数の国民の改正意思で変えることも可能だろう。(南)
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天皇制への回帰に、再軍備をうたう
「新日本憲法(構想案)」を読む ①
清水雅彦・日本体育大学教授(憲法学者、九条の会世話人)
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『週刊金曜日』より。3回に分けて掲載します。今回は1回目。
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参政党のホームページによれば、改憲案=「新日本憲法(構想案)」は2年間で500人以上が参加したワークショップや勉強会で議論を重ね、完成させたらしい。
そして、日本国憲法を改正する「改憲」ではなく、憲法を一から創り直す「創憲」とのことである(ただし、本稿では「改憲案」と表記する)。創憲チームの責任者は弁護士でもある安達悠司参議院議員(今年7月初当選)だ。
全体の構成は、前文、国歌、第一章天皇、第二章国家、第三章国民の生活、第四章国まもり、第五章統治組織、第六章財政、第七章重大事項となっている。参政党のホームページで公表しているので、ぜひ確認してほしい https://sanseito.jp/new_japanese_constitution/。
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近代立憲主義を無視
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この改憲案を見てまず驚くのが、条文数が極端に少ないことである。全体でわずか33条しかない。日本国憲法は103条あり、大日本帝国憲法でさえ76条あった。聖徳太子の17条憲法の約倍はあるが、17条憲法は道徳規範であって、いわゆる「憲法ではない(なお、改憲案22条には、「統治は……和の精神をもって行う」という規定もある)。
主に18世紀の市民革命後に作られた近代憲法は、これまで悪さをしてきた権力者を縛るために作ったものである(憲法=国家権力制限規範)。条文数が少なければ、それだけ国家の縛りを緩めることになる。日本国憲法の国会・内閣・司法は章単位で構成されているのに、改憲案は各一条しかない。日本国憲法にある公務員の憲法尊重擁護義務もない。
また、戦前は戦争に適合的な中央集権国家体制で、地方自治という概念はなかったが、目本国憲法は地方自治を一つの章として保障した。しかし、参政党改憲案にはない。
ほかにも、近代市民革命後は、それまで未分化だった公と私・法と道徳を分け、お上が勝手に私的領域に踏み込んできてはいけない、道徳を押しつけてはいけないとした。
しかし、改憲案前文は「日本は、……八百万の神と祖先を祀り、……徳を積み」から始まる。八百万(やおよろず)の神は神道や古事記の考え方である。日本国憲法20条の信教の自由は、宗教を信じない自由も保障するが、改憲案は国民に神道の価値観を押しつける。「徳を積み」とは、まさに国家による国民への道徳の強制だ。この改憲案は近代立憲主義に反する。
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天皇制への回帰
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日本国憲法は先の戦争とそれを支えた国家体制を反省して制定された。だから、まず前文では、国民主権・民主主義・戦争の放棄(平和主義)について書かれている。しかし、参政党の改憲案では、これらの内容がすっかりなくなっているのである。
そして、改憲案の前文で「天皇は、いにしえより国をしらすこと悠久であり」「これが今も続く日本の國體である」と、1条で「日本は、天皇のしらす君民一体の国家である」「天皇は、……国民を統合する」としている。「しらす」は「お治めになる」という意味だ。
また、現在、天皇は「日本国民統合の象徴」でもあるが、改憲案では国民統合の主体になっている。3条では天皇を元首とし、改憲案は天皇主権に回帰するものである。
ほかにも、2条では「皇位は、三種の神器をもって、男系男子の皇嗣が継承する」とあり、皇室が皇室典範を定めるとする。三種の神器は天照大神がニニギノミコトに与えたとされる鏡・剣・玉であるが、そもそも天照大神が架空の存在だ。
また、前文では「国民もまた天皇を敬慕し」としているが、国民が天皇をどう思うかはそれぞれが判断することである。
4条では天皇が定める元号に触れ、「国歌は君が代、国旗は日章旗」とする。元号は前漢の武帝が時間の支配を示すために導入したもの、「君が代」は天皇の時代が永遠に続くことを歌うもの、「日の丸」は侵略戦争のシンボルであり、国民主権と平和主義に反する。(次号につづく)
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言葉 「スパイ防止法」
先の参院選で議案提出権を得た参政党は、神谷宗幣代表が会見で秋の臨時国会に向け「スパイ防止法案」の提出を目指すと表明している。神谷代表は「法制局とも相談しながら検討している」「他党との交渉をある程度水面下で始めている」と言っている。
狙いは、「極左の考えを持った人たちが社会の中枢(公務員)に入っている。極端な思想の人たちは辞めてもらわないといけない。これを洗い出すのがスパイ防止法だ」と。
「スパイ防止法案」は、中曽根康弘政権下の1985年に自民党が「国家秘密法案」を提出した。しかし、「国家秘密」の中身が無限定に広がり、取材・報道の自由や国民の知る権利を脅かす危険性が明らかになり、反対世論の高まりや国会論戦によって、86年に廃案に追い込まれた。その後、自公政権は「国家秘密法案」よりも秘密指定の対象を広げる「特定秘密保護法」(2013年)などの法律をつくってきた。
次の狙いが、今回の「スパイ防止法案」だ。自民党、公明党、参政党だけではなく、国民民主党や日本維新の会も参院選の公約で「スパイ防止法の制定」を掲げている。「スパイ防止法反対」の国民的な大運動が必要だ。
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