「九条の会・わかやま」 534号 発行(2025年10月30日付)

 534号が10月30日付で発行されました。1面は、第131回「ランチタイムデモ」実施、「ガザに自由を」 戦闘2年 即時停戦訴え1400人が渋谷を行進 パレスチナに平和を緊急行動、九条噺、2面は、天皇制への回帰に  再軍備をうたう 「新日本憲法(構想案)」を読む ③ 清水雅彦・日本体育大学教授(憲法学者・九条の会世話人)、言葉 許されない国会議員定数削減、朝日新聞(10月27日)歴代内閣の発足直後の支持率 です。
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[本文から]

第131回「ランチタイムデモ」実施



 10月21日、前回(6月26日)から4カ月ぶりの、第131回「憲法の破壊を許さないランチタイムデモ」(呼びかけ:憲法9条を守る和歌山弁護士の会)が開催され、50人の市民が参加しました。
 2月21日から各回の準備は(コーラー役を含め)協力団体の輪番制で実施することとなっており、今回は「憲法九条を守るわかやま県民の会」が担当。「戦争する国絶対反対」「憲法壊すな憲法守れ」「憲法9条子どもに残そう」など、なじみ深い王道のコールでゴールの京橋プロムナードまで行進しました。
 なお、本日初参加の方もおられたとのこと。とても心強いことです。
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第132回 2025年12月8日(月)
(来年の日程は決まり次第お知らせします)



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「ガザに自由を」 戦闘2年、
即時停戦訴え1400人が渋谷を行進
パレスチナに平和を緊急行動




 パレスチナ自治区ガザで戦闘が始まってから2年がたった10月7日夜、イスラエルの軍事行動に抗議し、パレスチナに連帯を示すデモが東京都渋谷区で行われました。在日パレスチナ人や支援者など、参加した約1400人(主催者発表)がパレスチナの旗やプラカードを掲げ、国連大学前からJR渋谷駅周辺までデモ行進しました。「ガザに自由を」「ジェノサイドを止めろ」などと声をあげ、即時停戦を求めました。主催は「パレスチナに平和を緊急行動」です。

 ガザ戦闘2年 「もう十分」 終戦願うイスラエル、パレスチナ市民ら
 主催者のひとりで、ガザ出身のハニン・シアムさん(28)は、「この瞬間にも同胞が殺されている。病院や学校が爆撃され、多くの人が死んでいる。これが2年も続いている。悪夢でしかない」と話しました。日本で暮らす人たちに対して、「今日、この抗議活動に来た全ての人々が希望です。パレスチナで起きていることに関心を持ち続けてほしい」と訴えました。
(『憲法しんぶん速報版』10月14日号)



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【九条噺】
 「外国人は生活保護を受けやすい」「外国人が増えて治安が悪化している」などのデマやウソで外国人への不安をあおる言説がネットを中心にあふれている。外国人への敵対心を煽る典型的なヘイトスピーチだ▼日本で様々に権利が制限されている外国人が、日本人より優遇されているなどということはありえない。生活保護受給世帯の外国人世帯比率は3%程度。受給資格も厳格だ。その中には戦前日本に来て何十年も納税してきた在日韓国・朝鮮人も含まれる。外国人犯罪も05年の4万3622件をピークに減少し続け、今は検挙者全体の5.3%に過ぎない▼排外主義の言説が横行するのは、貧富の格差が拡大する中で、外国人に不満のはけ口を求めているからだ。排外主義は、真の問題を覆い隠し、差別と分断で解決を遠ざける役割を果たす▼排外主義は、外国人への攻撃として現れるが、その矛先は国民全体に向かい、国を亡ぼすことになるのは歴史の教訓だ▼NHK等の調査では「日本社会では外国人が必要以上に優遇されているか」という問いに、肯定が64%に達した。インターネットを中心にヘイトスピーチが広がってきたことが影響している▼日本の外国人労働者は今や230万人以上。派遣労働者200万人より多い。外国人労働者を対等の労働者としてその権利を確立することが、日本の労働者の労働条件向上につながる。外国人を排斥したり、その権利を否定するのは、日本人労働者の状態悪化になるだけだ。(南)

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天皇制への回帰に、再軍備をうたう
「新日本憲法(構想案)」を読む ③
清水雅彦・日本体育大学教授(憲法学者、九条の会世話人)

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『週刊金曜日』より。3回に分けて掲載します。今回は3回目で最終。
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踏まえてない基本的概念
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 日本国憲法は人権と人権が衝突した場合に「公共の福祉」で一方の人権を制約するが、改憲案6条では「公共の利益(公益)」で制約する。自民党は2005年と12年の改憲案で、「公共の福祉」を「公益及び公の秩序」に換えていた。しかし、参政党の改憲案の注18では「公共の福祉(公益)」とも表現し、「公共の福祉」と「公益」の区別がついていない。
 ほかにも妙な規定がある。3条の天皇の権限として国務大臣の任命があるが、25条には内閣総理大臣にも任免権があるのだ。両者で異なる判断をした場合はどうなるのか。また、3条では天皇が条約の批准も公布もするとなっている(日本国憲法では締結は内閣)。
 また、24条の国会の規定から衆議院と参議院の二院制を採用している。二院制の場合、両院で判断が異なると先に進まなくなるので、日本国憲法では衆議院を優越させ、異なる判断をした場合の細かい対処規定がある。しかし、参政党の改憲案にはまったくない。
 このように、憲法の基本的概念を踏まえず、緻密さに欠ける規定が見られる。公の政党の改憲案なのだから、やはり憲法学が積み重ねてきたいろはを踏まえてほしい。
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歴史を後退させる内容
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 要するに、この改憲案は天皇中心の国家・再軍備を実現し、憲法による国家権力の縛りを緩め、人権を大幅に憲法に認めない、これまで世界で築いてきた憲法と立憲主義の歴史を後退させるものである。外国人・性的少数者を排除する点では、欧州の極右に近い。
 創設メンバーが離れたり、神谷宗幣代表のキャラクターから、参政党が引き続き発展していくのかはわからない。しかし、参政党的な勢力は今後も拡大していくであろう。
 選挙戦での短いフレーズがわかりやすかったのかもしれないが、憲法は簡略化するようなものではない。必要に応じてさらに国家の縛りを強化するために条文が増えることは望ましい。そういった意味で、この改憲案についてもしっかりと分析・批判していく必要がある。 (おわり)



https://sanseito.jp/new_japanese_constitution/

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言葉 許されない国会議員定数削減

 日本維新の会が衆院比例代表を念頭に国会議員定数の1割削減を自民党との連立入りの条件として主張し、自民もこれに応じようとしています。しかし、これは以下に述べるように大きな問題を含んでいます。
 そもそも、日本の国会議員数は国際的にみて、決して多くはありません。
 衆議院調査局が4月に公表した「選挙制度関係資料集」(2025年版)によると、主要7カ国(G7)の国会議員1人当たりの人口は、次のグラフのように日本は17万5千人です。英国が4万6千人、フランスが7万人、カナダが8万7千人、イタリアが9万8千人、ドイツが11万9千人です。日本と英国とでは、3.8倍の開きがあります。つまり今の国会議員数を3.8倍増やせば英国と同じレベルになるということです。



 今でも少ない日本の国会議員の定数を削減すれば、さらに国民の声が国会に届きにくくなってしまいます。
 衆院の定数は小選挙区289、比例区176、計465。これの1割削減を目指すとしています。合意書には削減の内訳はないが、自民、維新両党とも念頭にあるのは比例区です。区割りの変更を伴う小選挙区より削りやすいこともあり、過去の定数削減も比例区が中心でした。
 小選挙区と比例区を組み合わせた選挙制度では、1人しか当選しない小選挙区は大政党に有利で、落選者に投じられる死票が多くなります。一方、得票数に応じて議席を配分する比例区は死票が少なく、中小政党にも不利になりません。従って比例区の定数削減は、国会に多様な国民の声を届ける回路を狭め、少数派の声が黙殺されることになります。
 実際、維新の本拠地である大阪府議会では、府政与党の維新主導で定数を109から79に削減。複数人区を減らし1人区を増やしたため、今や維新が議席の約3分の2を占め、議長も副議長も独占する「1強」状態となっています。
 そもそも、日本国憲法は「国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である」と定めており、衆議院議員も参議院議員も、それぞれの選挙区の有権者の代表なのではなく、全国民の代表です。その意味からも有権者の政党への支持を、議席分布に正確に反映することが可能な比例代表を削減することは、民主主義に反するとんでもない行為と言わなければなりません。

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朝日新聞(10月27日)
歴代内閣の発足直後の支持率




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(2025年10月29日入力)
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