「九条の会・わかやま」 537号 発行(2025年12月12日付)

 537号が12月12日付で発行されました。1面は、「平和を願う町民のつどい」を開催 みなべ「九条の会」、戦争が終わらない一番の理由は 戦争は儲かるからだ フリージャーナリスト・西谷文和氏②、九条噺、2面は、第132回「ランチタイムデモ」実施、「好きなんよ9条まつり」開催 「九条を守ろう」那賀郡の会  です。
    ――――――――――――――――――――――――――――――
[本文から]

「平和を願う町民のつどい」を開催
みなべ「九条の会」




 11月22日、みなべ「九条の会」は「第11回平和を願う町民のつどい」を40名の参加で開催しました。
 フリージャーナリストの西谷文和氏をお招きし、「戦争ではなく平和の準備を ~ガザ、シリア、アフガン、現地からの報告~」と題して講演をしていただきました。まずイスラエルとパレスチナの問題について、中東戦争の歴史的経緯から始まり、ガザ近郊の最新状況について、自ら取材してきた映像とともに話していただきました。イスラエルでは新聞社やテレビ局が政府によって封鎖され、SNSでフェイクニュースが拡散され、国民世論が戦争継続を支持する状況が語られました。これがガザのジェノサイドが2年も続いている要因だが、そんな中でも、今イスラエルでは、戦争をやめるべきだと多くの市民が声を上げていることも述べられました。
 また、長年、日本人医師の中村哲さんがアフガニスタンで取り組んでこられた事業が紹介されました。中村さんが現地の人たちと用水路をつくり、荒れ地を農地に変えることで、人々は農業を営むことができ、水と食糧が人々に行き渡り、争いや分断をなくすことができて、武装集団であるタリバンの中からも武器を捨てて農民になる者もいたそうです。このことは、武力によらず紛争を解決しようとする日本国憲法9条の精神を体現していることだと述べられました。
 アフガニスタンでは、日本に対する評価が高いそうです。その理由には、もちろん中村哲さんの取り組みもありますが、「日本は攻めていない」という事実もあるそうです。9条の精神を生かす、平和憲法を守る、その大切さを改めて確認できた講演会でした。
(会の井戸保さんより)

    ----------------------------------------------------------------------------

戦争が終わらない一番の理由は、戦争は儲かるからだ
フリージャーナリスト・西谷文和氏 ②

******************************************
「守ろう9条 紀の川 市民の会」の「第22回憲法フェスタ」講演「紛争地から見た平和憲法~ガザ、ウクライナ、アフガンの今~」を3回に分けて掲載します。今回は2回目。
******************************************



 戦争を見事に終わらせた人がいる。それは中村哲さんだ。私は、12年前にアフガニスタンで中村さんに偶然会った。
 考えてみてほしい。給食を食べる前と食べた後ではどちらが喧嘩になりやすいか? アフガンの人々は1日1回食べられるかどうかで、お腹を空かしている。中村さんは米や小麦を作ったら、人々の気持ちが落ち着く、「100の診療所よりも1本の用水路を」と考えた。中村さんは03年、旱ばつによる死者が増える中、独学で土木技術、用水路建設を学び、用水路建設を始めた。作られた用水路は23.3㎞。
 私が行った時、中村さんは朝8時頃に「よく来たね!」と出てきた。中村さんはカナンの取水口に連れて行ってくれた。私は、クナール川の急流に、石だけで作られた堰ができていてうれしかった。クナール川という暴れ川に堰を作り、砂漠の土地を緑のオアシスにした。65万人の人々に、土地を畑にして命の水を届けることに成功した。
 これは『北風と太陽』だ。アメリカ、ロシアやイスラエルらは強いし、ミサイルを持っており、気にいらない者をズドンとやる。でもそれは絶対反撃を食らう。喧嘩と一緒で、殴ったら殴り返され延々と続く。だから「北風作戦」では戦争は収まらない。だが、こうして米や小麦を作り、みんなを笑顔にしたら、少しずつだが戦争は止まっていく。タリバンが銃を置いて普通の農民になっている。タリバンが何故兵士になったかというと、給料をもらえるからだ。ところが用水路ができて自分で耕せば、戦わなくても食べていけるので、用水路が延びれば延びるほど平和になっていった。だから「太陽作戦」が戦争を止める方法だ。
 戦争は何故始まり、終わらないのか? 宗教などの理由もあるが、一番大きな理由は、戦争は儲かるからだ。世界一の大富豪は4年前まではアマゾンのジェフ・ベゾスだった。でも昨年、今年とベゾスを抜く者が出てきた。イーロン・マスクだ。マスクの年収は昨年8兆8千億円。1時間働いたら時給28億円。全資産は66兆円。平均的な日本人の年収は400万円ぐらいだから、マスクに追いつくには1600万年かかる。今の社会は、ごく一部の人が儲かり、圧倒的多数の人が貧しくなっている。世界人口の半分の下の31億人が持つお金に比べて、わずか10人が持っているお金の方が多い。
 この大金持ちたちは、主に株で稼いでいる。ミサイルを持っている会社の株を持っている。そうすると、ウクライナ戦争が始まったら、ミサイルの撃ち合いだから株がぐーんと上がる訳だ。戦車を作っている会社の株も持っている。ガザの戦争は戦車砲だから、ぐーんと儲かる。つまり、世界が平和で安定したらあまり儲からない。世界のどこかで紛争が起れば、それがビジネスになってしまう。大金持ちは、テレビ会社などを買収する。アメリカのFOXテレビや日本のフジテレビとかを。テレビを買収し、国民にウソをついてでもフェイクニュースを流して、戦争状態に持って行くことが多々ある。
 戦争を始めるには、世論の支持を受けることが大事になる。これは湾岸戦争の時の話だが、クウェート人の少女が泣きながら、イラク兵がクウェートの病院で赤ちゃんを皆殺しにしたという証言をした。この証言が米国の世論を大きく動かし、湾岸戦争に突入した。ところが少女は一度も母国に行ったことはなく、ずっとアメリカにいた。戦争をやりたいというアメリカの意思表示だった。
 昔の戦争報道はテレビだったが、今はSNSだ。イーロン・マスクは、ツイッターを会社ごとトランプのために買収した。トランプは選挙で負けたのに、「自分は選挙で負けていない。選挙に不正があった」と言うと、トランプ支持者が国会に突入し、死者まで出た。トランプはデマばかり言う。代表的デマは「ハイチ移民はアメリカに来て、犬や猫を食べる」だ。
 私はポーランド経由でウクライナに行く。戦前ポーランドにはユダヤ人が多く住み付き、商売のネットワークがあり、金持ちになっていった。そうすると、ポーランドのキリスト教会が「ユダヤ人が井戸に毒を入れた」と言って、ウソを広め、アウシュビッツで多くのユダヤ人が殺された。
 地球温暖化の原因の第1位は、間違いなく戦争だ。ウクライナ戦争の最初の1年間だけで出た温室効果ガスは1億2千万トン。シンガポール、スイス、シリアを合わせた量になる。戦闘機が1時間飛んだら8千リッターの石油を燃やす。戦車は1リッターで100m程しか進まない。地球温暖化防止には、戦争による浪費・消耗を止めることだ。
 日本には憲法9条があるので、人を殺す側にはつかない。これがいいのは、金がかからないことだ。今「話し合いで解決しよう」と言う人たちがテレビに出られなくされていることが問題だ。(つづく)

    ----------------------------------------------------------------------------

【九条噺】

 11月、脱炭素化のパリ協定に関する国連会議COP30が開催されたが、CO2削減目標をどの程度積み上げるかは、産油国の反対で化石燃料に言及しないという合意で終了してしまった▼トランプ大統領は20年11月に続き、25年1月にもパリ協定を離脱した。世界第2の温室効果ガス排出国・米国の離脱は地球温暖化対策を大きく損なうもので許されない▼地球温暖化の日本への影響は、太平洋水温上昇による台風の増加、日本海水温上昇による日本海側の冬の豪雪、線状降水帯発生による豪雨被害、さらに25年夏の酷暑もそれだろう▼地球温暖化は自然界にも被害を及ぼしている。北極氷山減少で、ホッキョクグマのアザラシ狩猟が困難になり、母グマの栄養不足と子グマの生存率低下が起っている。CO2増加による海水酸性度上昇で貝殻形成困難で貝類もピンチだ▼COP30で「化石賞」が環境NGOから常連受賞国・日本に授与された。授賞理由は「化石燃料への助け船。日本のCO2回収・貯留、水素・アンモニア混焼の宣伝は、化石燃料延命の技術的ごまかし」「オーストラリアの巨大ガス事業に資金を投入し、先住民族の土地・水域・文化を脅かしている」「国連気候変動枠組条約の下で公正性・公平性・人間中心の移行計画を正式な交渉文書とする動きを阻み続け、26年まで何もしない案を支持している」とされた▼日本がこんなに恥ずかしい評価をされないように、我々はもっと大きな声をあげなければならない。(南)

    ----------------------------------------------------------------------------

第132回「ランチタイムデモ」実施



 12月8日、前回(10月21日)から2カ月ぶりの第132回「憲法の破壊を許さないランチタイムデモ」(呼びかけ:憲法9条を守る和歌山弁護士の会)が開催され、60人の市民が参加しました。
 25年2月から各回の準備(コーラー役含む)は協力団体の輪番制で実施することになっており、今回は「和歌山県平和フォーラム」が担当。「憲法壊す政府はいらない」「平和な未来を子どもに残そう」「武器を買う金子どもに残そう」などのコールで京橋プロムナードまで行進しました。
**************************************************************
2026年の日程
第133回  2月 9日(月)  第134回  4月13日(月)
第135回  6月 8日(月)  第136回 10月21日(水)
第137回 12月 8日(火)



    ----------------------------------------------------------------------------

「好きなんよ9条まつり」開催
「九条を守ろう」那賀郡の会




 「九条を守ろう」那賀郡の会は、11月22日に紀の川市桃山会館で「第19回好きなんよ9条まつり」を開催しました。90名近くが集まりました。
 主催者あいさつのあと、オープニングとしてダンスチーム紀道さんに心の中からファイトが湧き出るようなパフォーマンスをしてもらいました。次に、今年の原水爆禁止世界大会(長崎)に参加された青年の感想を代読しました。メインは信愛短期大学教授の伊藤宏さんに「今の日本の政治状況と核なき未来を見据えての日本の役割」という演題で話をしていただきました。伊藤教授の話は世界全体の大局を掴みつつ、日本の状況の話でした。そして、これから私たちがしなければいけないことや運動を教わりました。特に印象に残ったのは、情報のほとんどをSNSなどで得ている若者に対して、こちらの考えや主張をぶつけるのではなく、お互いに対話を続けていくことが大事だと言われていたことでした。最後は、岩出市・紀の川市のうたごえサークルと参加者で3曲を歌い、抽選会で終わりました。
 高市首相の反動的な政治や言動により、日本がますます危険な方向にいかないよう運動を強めるとともに、来年も「9条まつり」が開催できるようがんばります。
(事務局・部家司好さんより)



    ―――――――――――――――――――――――――――――
(2025年12月11日入力)
[トップページ]