――――――――――――――――――――――――――――――
[本文から]
「春の情勢学習会」を開催
和歌山障害者・患者九条の会

衆議院選挙投票日前日の2月7日に「春の情勢学習会」を行いました。
しっかりと情勢を学んでいきたいと、和歌山信愛短期大学教授の伊藤宏(いとう・ひろし)先生を講師に迎えて「危険極まりない高市政権 〜今こそ語ろう、護ろう日本国憲法〜」と題してお話をしていただきました。
2012年に発表された自民党の改憲草案は、個人あっての国家から、国家あっての個人という色合いになっているそうです。そして、第13条の幸福追求権では、
●日本国憲法:すべて国民は、個人として尊重される。(以下、略)
●自民党改憲草案:全て国民は、人として尊重される。(以下、略)
と、「個人」が「人」に置き換えられています。
与党が衆議院・参議院ともに2/3の議席をもっていたこともあったが、公明党がブレーキ役で改憲はできなかった。しかし情勢は大きく変わり、今度は維新がアクセル役になるとのこと。9条を守る運動をどのように広げていけばよいのかの質問に先生は、「格差社会の中で生活に困窮している人こそ、1票を入れたくらいでは何も変わらないとあきらめている。そういう人々に地道に話をしていくことが重要では」と話されました。
18人と参加者は少な目でしたが、熱心に学び、たくさんの質問や意見が出されました。物事を深く考えず、うわべだけですぐになびいてしまう社会の風潮が作られていくことがとても危険だなと感じた一日となりました。
(事務局・野尻誠さんより)
-------------------------------------------------------------------------
SNS選挙とフェイクニュースについて考える
時事通信社・時事ドットコム取材班 斉藤大記者

斎藤大 氏
1月24日、和歌山弁護士会主催の講演会「SNS選挙とフェイクニュースについて考える」が開催され、斎藤大(さいとうひろし)氏(時事通信社・時事ドットコム取材班記者)が講演をされました。衆議院選挙直前となった中で参加者は熱心に聞き入りました。
講演の柱は「①なぜSNSに注目するのか、②SNSの特性と偽情報、③生成AIの影響、④偽情報への対策」でした。
SNS選挙元年は2024年。7月の東京都知事選挙で165万票も集めて次点となった石丸伸二氏が、街頭演説で「政治を変える」などのフレーズを多用し、演説の様子の「切り抜き動画」をSNSで拡散し一気に知名度を上げた。10月の衆議院選挙で国民民主党がSNS拡散を力に4倍の28議席に躍進し自公が大敗した。11月の兵庫県知事出直し選挙で斉藤知事は前回を上回る111万票で復帰したが、兵庫県内のPR会社に斉藤陣営のSNS監修を任せていた(公職選挙法ガイドラインに抵触の疑い)。翌2025年参議院選挙で、参政党が14議席の大躍進、国民民主党も改選議席17に激増させた。両党ともSNSの投稿数が多かった。
旧来の選挙は「地盤・看板・かばん」つまり「組織・知名度・お金」が決め手だったのに対して、SNS選挙は、「ショート動画」「切り抜き動画」を投稿し、それを見た人が知人に紹介する繰り返しで、ネズミ算式に拡散する仕組みだ。旧来より安く早く効果が上がる。手法は、短く分かりやすいフレーズで共感を得ようとする。ある投票所出口調査で、参政党に投票した人の支持理由は「日本人ファースト」というフレーズへの共感が最多だった。
SNS選挙には危険がある。「お勧め機能で好きな情報だけ触れる」「誤情報・意図的虚偽・悪意ある情報が多い」「驚異的な拡散速度(嘘は真実の6倍速)」「閲覧回数で報酬が入り、真偽より快不快重視」「海外勢力の関与?」等。偽情報の発生にはAI(人工知能)の影響もある。「斉藤大が候補者演説している写真を作って」と命令するだけで、それらしいウソの写真が作られる。偽情報への対策は、SNS企業・国・報道機関などが行う必要があるが、個人は「ソ(即断するな)ウ(うのみにするな)カ(かたよるな)ナ(見えている中だけ見るな)」で対処しようと話されました。(柏原)
-------------------------------------------------------------------------
【九条噺】
稀代の悪法・治安維持法制定100年、廃止80年は2025年に迎えた▼12月7日、「治安維持法100年戦後80年・歴史の記憶を継承する講演会」が開催され、大阪市立大学・広川禎秀名誉教授が「世紀の悪法・治安維持法と大阪商大事件」と題する講演をされ、概要は当会紙538号で紹介した▼大阪商大事件は和歌山高商(現・和歌山大学経済学部)にも関係がある事件だ。和歌山高商学生の内田譲吉は、1931年11月全協オルグ事件で、1933年6月和歌山高商教授・岩城忠一、北川宗藏とともに和歌山で検挙された。1934年復学し、和歌山高商を卒業後、大阪毎日新聞記者として活動していた▼1938年9月、大阪で治安維持法違反で検挙され、翌年5月起訴された。その違反容疑は、大阪毎日新聞社が発行する雑誌『エコノミスト』に、「半封建論争物語」という論文を掲載し、君主制打倒の主張普及・徹底に努めたこと、職業婦人を組織した「かりがね会」を中心として、自ら講師として辰巳経世著『資本論読本』をテキストとする研究会を開催し、指導したこととされた。そして大阪商大事件で1943年3月15日、大阪商大教授・名和統一らとともに検挙され、大阪刑務所で終戦を迎えた▼戦後は、日本学術会議会員、富山大学教授、奈良県立短期大学学長などを歴任、日本の民主主義発展に貢献した▼治安維持法再来と言われる「スパイ防止法」を許さない思いを込めて、内田譲吉を紹介した。(南)
-------------------------------------------------------------------------
大軍拡・改憲・悪政推進にNOを!
憲法9条、25条を車の両輪に
「九条の会・わかやま」事務局・田畑 安敏
2月8日、奇襲攻撃のような衆議院選挙、振り返って見れば一体何が問われた選挙だったのかと思う。中曽根政権下で自民党が大勝した1986年の「死んだふり解散」同様のだまし討ち解散だ。自民党が大勝した2005年の小泉政権下での「郵政解散」では「郵政民営化」の是非、民主党が大勝した2009年の「政権選択解散」では「後期高齢者医療制度」の是非など、ともかくも国民が政策を考える選挙だったが、今回の選挙は、ここ2年間の国政選挙で問われた消費税減税や政治と金の問題は争点外しされ、具体的な政策は全く問われなかった。選挙結果を受けて、昨年、世論の沸騰で一旦中止となった高額療養費の負担増やOTC類似薬の保険外しが、予算関連とはいえ国会の数の力でさして論議されずに見直しが決められていくとしたら残念だ。
私が働く介護の分野では、介護保険制度見直しで、①利用料2割負担の対象拡大、②ケアプランの有料化、③要介護1や要介護2の人々の生活援助等を自治体の地域支援事業に移行、が検討されてきたが、昨年12月の厚生労働省の審議会(介護保険部会)で、①は年内決定を見送り2026年に継続検討 ②は現行ケアプラン有料化は実施せず、住宅型有料老人ホームに新たな相談支援の類型をつくり利用者負担を求める ③は今回実施見送り との意見が取りまとめられた。負担増・給付減の方向に歯止めをかけたが、今後の懸念がぬぐえない。
いま介護保険の現場は、保険料・利用料負担の増加、サービス提供ができない・利用できない、介護の担い手が確保できない、といった事態が深刻化している。創設以来「給付減と負担増」を繰り返してきた結果であり、当初の「介護の社会化」理念は大きく後退している。私は、今日の事態を打開する道は、国庫負担の大幅な拡充しかないと思うが、介護保険見直しの取り上げ方はいつも「給付減か負担増か」だ。頭から「社会保障を目の敵に、軍事費は聖域扱い」をするのはやめて、もっと議論や検証を深めてほしい。
『自分たちで生命を守った村』(岩波新書)は、昭和30年代、豪雪地帯にある岩手県沢内村(現西和賀町)で乳幼児や高齢者の生命を守るのに尽力した深沢晟(まさ)雄村長(1957年~)と村民の奮闘が綴られており、福祉や地方自治を学ぶ者にとって大切な一冊だ。深沢村長は、村の青年を対象とした講座で、個人の尊重と幸福を語り、憲法9条と25条は切り離しがたいもので、車の両輪として、憲法を実現していく力と、新憲法の理念を説いていたとのこと。戦後、日本社会・日本国民は、常に蔑ろにされようとする憲法9条、25条を守り、生かして、歩んできた。選挙結果にたじろがず、国民の深部の声に耳を傾け、この歩みをさらに発展させていかねばと思う。
-------------------------------------------------------------------------
みなべ「九条の会」161回目のピースアピール

2月8日、東吉田交差点で161回目のピースアピールを行いました。雨は降りませんでしたが、太陽の光は雲に閉ざされ、前日よりも5度ぐらい気温が下がり、冷たい中での実施となりました。
例年2月は観梅シーズンで、普段より多くの他府県ナンバーの車や観光バスが通るので、梅林に近い東吉田交差点でピースアピールを実施しています。今年も1月31日に梅林が開園しています。交差点近くの畑にある梅の木にも花が5分咲き程度に咲いていました。
ピースアピール当日は、突然の解散で、選挙戦の最終日になったので、アピールの内容に気をつけ、会員でかわるがわる「九条変えるな」「軍拡競争に陥るな」などとアピールしました。
(会の井戸保さんより)
-------------------------------------------------------------------------
パンフレット紹介 『高市極右暴走政権と現代版治安維持法・「スパイ防止法」を斬る』

●カーキ色のタカは日本をどこへみちびくのか―高市早苗政権の暴走と危険性(五十嵐 仁)
●「スパイ防止法」の危険性(清水 雅彦)
●最悪の言論・思想統制法=「スパイ防止法」を許すな(小松 公生)
●スパイ防止法案―国家秘密法の歴史的背景(荻野富士夫)
●開戦日12月8日、北大で何か起こったか―宮澤弘幸スパイ冤罪事件(福島 清)
********************************************
A5判、73ページ
頒価300円、送料210円
治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟
〒113-0034 東京都文京区湯島2-4-4
全労連会館9階
TEL 03-5842-6461 FAX 03-5842-6462
E-mail chian@bz03.plala.or.jp
|